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ライフスタイルにより
豊かな彩りを。
モデリスタの哲学を、
車を収納する“箱”に投影する

前回のコラボレーション企画から足かけ3年。
モデリスタの次なるチャレンジは、車との親和性が高い「ガレージ」の領域へ。
ガレージのトップブランドを抱える鋼材メーカー・株式会社ヨドコウ(以下ヨドコウ)
と共に、新たなガレージライフのムーブメントを起こすべく動き出した。
モデリスタのデザイナーとヨドコウの開発者による製品誕生までの道のりを紐解く。

株式会社 トヨタ
カスタマイジング &ディベロップメント
内外装技術部 デザイン室
スタイルクリエイト2グループ

伊藤洋祐Ito Yosuke

株式会社ヨドコウ
建材開発室 エクステリアグループ

大森良信Omori Yoshinobu

新たな挑戦は2年前からすでに始まっていた。

このコラボレーションが始まった経緯を教えてください。

伊藤:ご存知の通り、モデリスタはカスタマイズパーツの展開がメイン事業になっています。そしてモデリスタを愛用されているお客様の車だけでなく、ライフスタイルそのものを盛り上げ、豊かな彩りを添えていくというところも一つの狙いとなっています。これまでに日本を代表する腕時計メーカーである「セイコー」や、トヨタ系列でマリン事業を展開する「トヨタマリン」と協業し、それぞれMODELLISTAコラボレーションモデルを世に送り出してきました。第3弾となる今回は、初心に戻る想いで、カーライフ領域を拡大させる企画、つまり“ガレージライフ”の充実を図るための商品開発を目指すことになったのです。

ある意味、カーライフの原点に立ち返るような企画となったわけですね。ちなみに前回のコラボレーションから約3年経過しています。
ここに行き着くまで年月を有した特別な理由などはありますか?

伊藤:社内で動き始めたのは、2022年夏あたりからです。ガレージメーカーに提案に行くにあたっては十分なリサーチが必要ですので、入念に準備を進めました。ヨドコウさんをはじめ「物置・倉庫と言えばここ」と知名度の高い各メーカーのショールームを見に行ったり、住宅展示場を巡って最新の建築トレンドを調査したり、さまざまな業種の店舗を訪れ、内装デザインをチェックしたり。数ヶ月に渡りリサーチした上で、ヨドコウさんにファーストコンタクトしたのが2023年2月でした。

大森:「ヨド物置」を代表とする我々のエクステリア商品では、これまでにアウトドアブランド「Coleman」や「BEAMS DESIGN」、RIDE LIFEの総合プロデュースカンパニー「ムラサキスポーツ」など、他業種とのコラボレーションを展開しています。ターゲット層はアウトドアギアやグッズを厳選し、そのスタイルにも独自の美学を求めるこだわり派の人たちです。よって単なる物置ではなく、機能的でありながらデザイン性にも優れた“基地のような存在”を目指して開発してきました。これらの取り組みが評価され、今回モデリスタさんからオファーをいただくことになったと思っています。我々としても、よりデザイン性を高めたもの、価値あるものを展開したいと考えていた時期だったので、すごくいいチャンスだ!と興奮したのを覚えています。

伊藤:「こんなガレージを作りたい!」などと、現実を度外視した夢てんこ盛りの絵を描いていっても、箸にも棒にもかからないような話になりかねないリスクや怖さはありました。そこで構想やデザイン画を提案するプレゼン時には、あらかじめヨドコウさんのホームページから既存のガレージの説明書をチェックし、構造の仕組みや組み立ての手順などの前情報をしっかりインプットしておきました。それらを把握した上で、モデリスタの要望の押し付けにならないように、同じ土俵で話ができるように心がけていました。
とは言え、割と攻めた(夢や希望を乗せた)企画案を提出したわけですが、大森さんはそんな夢てんこ盛りの案にも真摯に向き合っていただきました。具体的にどうすれば実現できるかというアドバイスも的確で、この時点で「いい関係でやっていけそうだな」と明るい兆しが見えていましたね。

大森:初期のデザイン案には「SFアニメにインスパイアされたイメージ」でデザインされたものがあり、第一印象が「これ何!?」でした。型にはまらないデザインに私自身、瞬時に心を掴まれましたね。
自由な発想がさっと出てくる遊び心と、それが形となって表現できていることが、すごく面白いと感じました。ガレージや物置などのデザインに関しては、どうしてもできるもの、つまりある程度決まったフォーマットの中で進めることが多くなります。とにかく“できるだけ多くの人に受け入れられるデザイン”に落ち着きがち。今回はそういうある種のしがらみを取り払った、“刺さる人にはきっと刺さる”感性に、開発意欲を大いに刺激されました。
だからこそ今回のガレージに関しては、特に「デザインそのものに大きな価値がある」事を意識して取り組んでいました。伊藤さん(モデリスタ)の意図をどこまでデザインの中に取り込むことができるか。生産上難しい部分が出てくることも想像しながら、できる限り意図に添う方向性を探っていたからこそ、当然時間がかかる場面もありましたね。

「森を見る」デザイン目線×「木を見る」開発目線の融合。

スタート時の両者の印象は、まさに相思相愛の様子ですね。それぞれ違う分野で活躍されてきたお二人が、今回のコラボレーションをきっかけにお互いに気づきや学び、受け取ったものなどはありますか?

伊藤:所属している領域が違うことで得られる知見は多かったと思います。私はデザイン分野ですけど、大森さんはやっぱり開発寄りなので、工場目線でのアドバイスや量産目線での考察がしっかりしていることに頼もしさを感じました。例えばガレージの部材一つとってもデザインを新しく起こす場合、新しい鋼板を製造すると、1回のミニマムロットで百台分以上の材料を作ることになる場合もある。それが果たして、販売台数の現実に即しているものかどうか。事業として利益を生み出せるバランスになっているのか。ものづくりの現場目線でのシビアなアドバイスがもらえることは、私たちが一番頼りにしているところであり、大きな学びでもありました。

大森:構造設計という観点でみると、どうしても面は面、辺は辺で捉えて、パーツや細部の設計に視点が集中してしまいがちです。その点このプロジェクトでは、全体のバランスというかまとまり感、塊(かたまり)感というのを意識しながらデザインの価値として落とし込んでいくという考え方がベースにありました。まさに全体像を捉える「森を見る」視点であり、「木を見る(=細部の精緻さを求める)」視点の私たちとしては新しい、気づきになったと思います。また車のカスタムパーツや車のトータルデザインは、さまざまな曲線が複雑に絡み合ったものになっています。その点を考えると、モデリスタさんがガレージに求めるデザイン意図というものを設計にうまく盛り込めるのか…について不安でもあり、新たな挑戦でもあったと言えます。

INTERVIEW