司会：今回の対談で気になるのが、自動車カスタマイズメーカーのモデリスタと時計メーカーのセイコーがコラボした理由です。どういう経緯でコラボに至ったのですか？

大宅氏：やはりそこが気になりますよね。コラボした腕時計は「セイコーセレクション」という、時間を知るという基本性能とデザイン性にフォーカスしたブランドです。「セイコーセレクション」では、いままでの機能性にプラスして、より感性を刺激するようなデザインに一歩踏み出した商品も出したいと考えていました。そのためには業界の違うデザイナーとコラボをすれば既成概念を覆せるのではと思ったのです。

古長氏：最初、セイコーウオッチさんがコールセンターへ電話をかけてきたときは、イタズラなのかと社内でザワつきました（笑）。コラボ自体のお話は初めてのことですし、それが日本人なら誰もが知っているセイコーということに二度ビックリしました。

大宅氏：失礼しました（笑）。どこに連絡すればいいのかわからず気がついたらコールセンターにかけていました。趣味という観点から腕時計と自動車は親和性が高いところもあって、自動車業界のデザイナーを探していました。感性に訴えかけるモノづくりをされているモデリスタさんを見つけて、同じ方向でコラボできるのではないかとお声がけしました。

古長氏：モデリスタのことはもともとご存知だったのですか？

大宅氏：はい、昔、イタリアのカロッツェリア「ZAGATO（ザガート）」とモデリスタさんがコラボしたモデル「HARRIER ZAGATO（ハリアー ザガート）」を見たときに、なにか凄いのが出てきたなと強く印象に残っていました。

古長氏：限定販売だったモデルですね。長谷川さんはご存知でしたか？

長谷川氏：モデリスタというブランド名は知っていました（笑）。大宅さんから「コラボできそうですか？」と聞かれてすぐにウェブサイトを確認しました。純正の良さを残しつつ新たな生命を与えられたエアロパーツを見て、これならいままでにない面白いものができるかもしれないと思いました。